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腎不全の末期症状において、低下した腎機能の代わりの役割を果たすのが、透析療法です。 腎臓は、背中側の腰の高さに左右1個ずつある臓器(こぶし大の大きさ)で、血液中の老廃物をろ過して尿をつくる、からだの「排水処理場」です。
腎臓には、心臓が1回の拍動で送り出す血液の4分の1が送りこまれ、約150~180リットルもの尿のもと(原尿)がつくられ、ろ過が繰り返されます。そうして最終的に約1.5リットルまで減って尿として排出されます。
さまざまな原因により、腎臓の働きが不十分になった状態を腎不全といいます。 腎不全には、急激に腎機能が低下する急性腎不全と、長年にわたって徐々に機能が低下する慢性腎不全の2種類があります。急性腎不全は、早急に適切な治療を行うことで大部分の機能回復が見込めますが、慢性腎不全は腎機能がある程度まで低下しないと自覚症状が現れず、早期発見が大変難しい病気です。そのため、一度失った腎機能の回復は困難です。 腎臓の働きが低下すると、本来尿として出るべき老廃物が体に溜たまります。
症状は、進行速度や重症度、原因によってさまざまですが、尿の異常、部分的なむくみや高血圧になることもあります。慢性腎不全の末期状態になると、「尿毒症」となり、重とくな場合、全身けいれんなどの症状が現れます。 末期の治療法は、腎移殖か透析療法に限られてきます。
腎臓の働きが10%以下になると、血液のろ過が充分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまいます。そのような場合に、人工的に血液の浄化を行うのが、透析療法なのです。
透析療法には人工的に行う血液透析療法、オンラインHDF療法、自分のお腹の腹膜を使って行う腹膜透析療法の3種類があります。
※透析曜日・時間はご相談に応じますが、場合によってはご希望に沿えないこともありますのであらかじめご了承下さい。
HDF(血液濾過透析)は通常のHD(血液透析)とHF(血液濾過)を同時に行う治療法です。HDとHFの長所を併せ持つ治療法ですので、通常のHDよりも広範囲の物質の除去が可能です。さらにオンラインHDFでは高度に清浄化された透析液を、透析患者様への補充液として大量に使用することによって様々な合併症(手根管症候群、透析アミロイドーシス、イライラや下肢のムズムズ、身体のかゆみ)の原因になる物質を通常のHDよりも積極的に除去することが可能になります。また貧血の改善、透析中の血圧低下にも有効な治療法であるとされています。
当院では現状オンラインHDFが生体腎の機能に最も近い治療方法であるという考えから、全台オンラインHDFの施行が可能な透析装置を採用し、透析患者様のQOL向上に貢献していきたいと考えております。